概要
Community Q&Aで予告されていたとおり、Assetto Corsa Rally の Update 0.4 は4月30日配信予定とアナウンスされました。
今回の0.4は「新コンテンツ」「新パートナーシップ」「新しい天候条件」「大量の修正」がセットになったアップデートとして告知されています。
結論から言うと、新コース(新ラリー)はありませでしたが、その代わりに、既存ラリーへの雪拡張と、ハードウェア面(FFB/周辺機器)の強化がかなり大きい内容になっていて大型アップデートといっていい内容になってます。
Two Historical Icons:90年代の“2つの象徴”が追加
0.4では、90年代の象徴的な2台が追加されます。性格は真逆です。
- ひとつは、荒れた路面を「グリップと態度」でねじ伏せる AWDのアイコン
- もうひとつは、精密さと俊敏さ、そして全開の覚悟が問われる FWDの怪物
この説明の時点で、0.4の新車は“乗り味の違い”を楽しむ方向に寄せているのが分かります。
新車1:Peugeot 306 Maxi Kit Car(FWD)
追加されるのは Peugeot 306 II Maxi Kit Car。
François Delecour などのドライバーでも知られ、ここでは IKE Racingリバリーで登場します。1997年にホモロゲーションを取得した車両で、FIAの「2-Litre World Rally Cup」に向けた、90年代後半らしいターマック志向のラリーエンジニアリングの代表例、という位置づけです。
この車両の文脈として、次のような背景が説明されています。
- 306 S16 をベースにしつつ、ラリー競技向けに技術面を強化して開発されたこと
- フランス勢が2Lキットカーで攻めていた時代の象徴であること
- 2Lキットカーは「NAエンジン+FWDシャシー」を軸に、軽さと俊敏性でアスファルト向けに最適化されたカテゴリであること
- 306 Maxiはパワー、軽さ、シャシーのまとまりで、ターマックでは高価な4WDのWRC勢より速い場面もあったこと
- その強さが、結果的にトップカテゴリからキットカーが排除される流れにもつながったこと
要するに、ターマックで尖っていたFWDの象徴として追加されます。
新車2:Subaru Impreza S3 Group A(1993/AWD)
もう1台は Subaru Impreza S3(1993)Group A。
Colin McRae が1993年にドライブした個体として紹介されており、Impreza伝説の始まりを告げた一台、という扱いです。
説明では、以下の点が強調されています。
- Group A規定に合わせて、SubaruがWRCに本格参戦するために作った車であること
- それまでの Legacy RS よりも、機敏性と競争力を狙って投入されたこと
- 90年代中盤に McRae や Carlos Sainz らの活躍で存在感を強めたこと
- McRaeは1995年にこの系統でドライバーズタイトルを獲得し、当時の最年少王者になったこと
- Subaruは1996年、1997年にかけてマニュファクチャラーでも強さを示したこと
- ハイプではなく技術と戦績こそがレガシーを定義する、という語り口であること
そして0.4のまとめとして、こう締めています。
- 306 Maxi:FWD+高回転NAでアスファルトに極めて有効
- Impreza:4WD+ボクサーで雪とグラベルも攻められる
“真逆の哲学”を同時に追加する、というのが今回の新車枠です。
「Winter is coming…」雪が Alsace / Wales にも拡張
0.3で注目された雪要素ですが、0.4ではさらに範囲が広がります。
Alsace と Wales のラリーにも雪天候条件が追加され、「同じ道をまったく新しいコンディションで再発見できる」としています。
ただし注意点があります。
- Alsace / Wales のスノータイヤは、将来のアップデートで追加予定です(0.4時点では“後日”扱い)
雪の挙動・視認性・路面表現の調整も後述のchangelogでかなり細かく入っているので、0.4は「雪を広げる」だけでなく「雪の品質を上げる」意図も見えます。
強力なパートナーシップ:Jon Armstrong(M-Sport WRC)と公式協力
0.4の“新しいパートナーシップ”として、**Jon Armstrong(M-SportのWRCラリードライバー)**との公式コラボが発表されています。3月から始まったとのことです。
Jonは、ラリーのトップ競技経験だけでなく、シムレーシングやゲーム開発の経験もあるとされ、フィードバックによって車両の物理・ハンドリング改善が進んだと説明されています。
特に注力した点として、
- タイヤ
- 空力
- サスペンション
を挙げており、狙いは「よりスムーズで、よりコミュニケーション豊かな挙動」にすることです。
具体的には、
- ホイールロック(ロックアップ)
- トラクション喪失
- 限界域走行
といった局面が、より自然に扱えるようにする、という方向性で語られています。
周辺機器・FFB強化:Fanatec FullForce / Logitech TrueForce SDK 統合
そして個人的に一番楽しみなのがここです。
0.4では Fanatec FullForce と Logitech TrueForce のSDK統合が入り、さらに ゲーム内で調整できる新しいFFBパラメータが追加されます。
加えて、汎用デバイスの互換性改善も明記されており、「より多くのデバイスが想定どおり動作するようにする」とされています。
0.3〜0.3.1〜いろいろとトラブル報告が多かった印象ですが、Steam Input周りの流れを見ても、重要視してテコ入れしている印象です。
Update 0.4 CHANGELOG(全文ベースで項目ごと)
ここからはchangelogを、見出しごとにそのまま追っていきます。
NEW CONTENT
- 新車2台追加:Peugeot 306 Maxi Kit Car、Subaru Impreza S3 Gr.A 1993
- Rally Alsace / Rally Wales に雪天候条件を追加
- 新車2台向けに 新しいACR Eventsグループを2つ追加(合計 12 の新イベント)
- Tractionグループ(FWD / RWD / 4WD)に、混合天候のイベントを **各1つ(合計3)**追加
- Rally Encyclopedia に 新パートナー3件追加
CARS
- Hyundai i20:超ワイド解像度で、リプレイのGoProカメラがボディにめり込む問題を修正
- Citroen Xsara WRC:ボディ損傷時にゲームプレイカメラがめり込む問題を修正
- 全車:リプレイの「Between Heads」およびドライバー/コ・ドライバーGoProの露出を修正
- 車両の方向依存AO(アンビエントオクルージョン)を軽減
- Lancia Delta:LCD更新
- Skoda Fabia:ナンバープレート更新
- 全車:競技ロゴ追加
- 窓ステッカー裏面の彩度を下げ(紙の裏打ち表現)
- その他、全車に多数の軽微なバグ修正
INPUT
- Fanatec FullForce / Logitech TrueForce 実装
- → ユーザーが調整できる 新しいゲーム内FFBパラメータを追加
- 汎用デバイス互換性の改善(より多くのデバイスが期待どおりに動くように)
PHYSICS
- 小さな可動オブジェクトが不自然に回転し続けるのを防ぐため、角減衰を追加
- 新車2台(306 / Impreza)を物理へ追加
- 306:ブレーキバイアス調整を、バランスバーではなく 圧力リミッターバルブで実装
- (デュアルマスターシリンダー構成であっても、後輪ブレーキ圧を下げる際に前輪圧を上げずに済む、という狙い)
- 全路面のタイヤ調整(特にウェットと雪)
- ウェット/雪がタイヤ力に与える影響を変更(コーナリング剛性を落とさない、飽和時にS字特性を切る)
- 雪:タイヤの適性に応じて増える“変形”成分をスリップ角に追加(下地を掴む表現)
- これらにより、ウェット/雪での グリップ移行がより即時で分かりやすくなり、
- ウェットでの反応性と雪でのコントロール性を改善する狙い
- タイヤの動的質量・減衰パラメータを調整して力の出方を安定化
- グラベルタイヤに雪上グリップを追加(雪のあるグラベル路に適合)
- S字特性パラメータ、荷重感度などをテストデータ/フィールドテスト結果で調整
- 空力(ドラッグ/リフト)見直し
- 車両セットアップ/プリセットを一部見直し(タイヤ変更に合わせ、挙動や適合性を改善)
AUDIO
- Impreza:エンジン/排気音を実装(今後さらに改善予定。音担当がImprezaオーナーで完璧にしたいとのこと)
- 306:エンジン/排気音を実装
- Skoda:排気のアフターファイア実装、Rally2ターボ追加
- グラベルのスキッド音フィードバック改善
- 3rd person(主にリプレイ)の空間表現改善(距離、過給、リアエンジンなど)
- ターボBOV音が早く切れる不具合修正
- 車内視点に“山の残響”が入りすぎる問題修正
- ランダムな音切れなど修正
- その他、細かな調整多数
GAMEPLAY AND UI
- Monte Carlo Bollene のペースノート更新
- Monte Carlo Sisteron のペースノート更新
- Wales Hafren North 3/6 の誤ペースノート修正
- Monte Carlo Bollene 7/8、および Sisteron 6/6 で、停止地点への誘導が機能しない問題を修正
- Monte Carlo Bollene の壁際で、観客周りの誤リスポーン衝突を修正
- ラリー週末の自動タイヤ割当が、総本数が奇数になったり単一コンパウンドになったりする問題を修正
- 自動タイヤ割当が、複数コンパウンドで正しい本数にならない問題を修正
- → 自動選択でも、週末ラリー中のタイヤ選択肢が増える方向
- Videoオプションに Applyボタン追加
- 軽微なテキスト/翻訳問題を修正
ONLINE
- プレイヤーセッションがクライアントバージョンを正しく設定
- Partners機能を追加
- リーダーボード:パートナーとして取得する専用エンドポイント追加
- リーダーボード:エントリーにクライアントバージョンを保存
- リーダーボード:最低許容クライアントバージョンをチェック
- リーダーボード:Store処理から結果コレクションを削除
- → 偽エラーが大量発生して「Time Upload Failure」が出る原因になっていたため
VFX, LIGHTING AND ART DIRECTION
- Alsace / Wales の雪対応を追加
- オフロード路面材質の雪対応を追加
- 雪条件での道路・走行ラインの読みやすさを改善
- “晴れ〜積雪”の地面遷移を改善
- “乾雪〜融雪”の地面遷移を改善
- 異なる材質間で雪エフェクトの整合性を改善
- アスファルト上の雪パーティクル改善
- 車両AO改善
- 全ステージのスタート/ゴールの赤枠を、日中の視認性が上がるよう調整
ENVIRONMENTS
- Monte Carlo Sisteron:ラリー/イベント演出(デコレーション)改善
- Alsace Munster:同上
- Alsace Saverne:同上
- Wales Hafren South:同上
- Wales Hafren North:同上
- 新しい駐車車両を追加
- 駐車車両の下に影を追加し、見た目を改善
- 全ステージ:浮いている植生のバグ修正
- 全ステージ:軽微なバグ修正
まとめ:
新コースは無いが、体感アップデートとしては期待大です
0.4は新ラリー追加こそありませんが、新車2台+Alsace/Walesへの雪拡張が入り、さらに タイヤ(ウェット/雪)と空力の調整がかなり大きく入ります。
そして何より、Fanatec FullForce / Logitech TrueForce対応が明記されたのが楽しみです。
配信日は4月30日予定なので、今後も追加情報が出てきたら追記していきます。

【コメント】 あなたのSimLifeの感想やアイデアもぜひ。