
ゲーム内には「Rally Encyclopedia」という専用メニューがあり、ここではラリーの歴史やルールが細かくまとめられています。ラリーの基礎知識から、時代ごとの競技車両、実際の競技規則、クラス分けまで、一通りの情報が揃っていました。
内容はすべて英語で、量もかなり多いため、日本人ユーザーの多くはここを読み飛ばしてしまうと思います。ただ、構成自体はよくできていて、ラリー文化に触れたことがない人にとって、世界観を補完してくれる資料としては十分な内容です。

■ ラリーの歴史は時代別にまとまっている

- ラリーの起源
- 60年代・70年代
- Group B
- 90年代・2000年代・2010年代
- ハイブリッド以降(現代)
それぞれの時代の特徴が短くまとめられていて、当時の代表車両やレジェンドドライバーが紹介されています。雰囲気をつかむには良い読み物です。
■ ラリーのルール部分は、実際の競技をベースに構成

- Rally 101
- AC Rally の独自レギュレーション
- ペナルティ
- クラス分け
- サービスパークの流れ
リアル競技のルールが基本になっていますが、ゲームとして遊びやすくするために一部は簡略化されているようです。
特にペナルティ周りやスタート手順なども記載されていて、WRCや本格シムをやったことのない人でも雰囲気がつかみやすい作りでした。
📝 ACR:Co-Driver Pacenotes(コ・ドライバー指示)の仕組み

ACRでは、ラリーで使われるペースノートの表現がかなり丁寧に作られていました。
コーナーの強さ、距離、危険ポイント、複合コーナーの指示など、実際のラリーと同じ構成になっています。
ゲームとして遊びやすくするためにアイコン表示になっていますが、情報の内容自体はかなり本格的です。
■ ペースノートが伝える内容
- コーナーの強さ(1〜6、またはHp=ヘアピン)
- コーナーまでの距離(例:120)
- 危険ポイント(!やジャンプなど)
- 複合の繋がり(→、+、− のような接続)
- 路面やコブ、ギャップの注意喚起
これらがセットになって表示されることで、初心者でも「意味はわかる」「情報の整理がしやすい」という印象でした。
実際のコ・ドライバーのノートはもっと複雑でスピードも速いですが、このACR式ペースノートは“初めての人でも理解できるように整理したラリー版HUD”という感じです。
📝 ACR:Partners(パートナー)とは何か?

この「Partners」メニューは、ACRの中でも少し珍しい内容で、ゲーム開発に協力した団体や人物、ブランドの紹介がまとめられています。
内容としては、資料提供・車両提供・技術協力・文化的支援など、ACRの制作に関わった実在の組織や人物を紹介するページでした。
■ Partners は何を紹介している?
大きく3つのカテゴリに分かれています。
① Car Owner(車両コレクション提供者)
例:
Fondazione Gino Macaluso per l’Auto Storica(マカルーソ財団)
クラシックラリー車のコレクションを持つ財団で、
歴史的な車両の撮影・資料提供に協力しているようです。
- 60〜2000年代の実車コレクション
- FIAT / Lancia などイタリア系ラリー車の充実度
- 収蔵車両がそのままゲームモデル化の資料になっている可能性が高い
ACRが「車の再現度が高い」理由のひとつです。
② Driver & Co-driver(現役・元ラリー関係者)
ここには、実在のラリードライバーやコ・ドライバーが並んでいました。
例:
- Pietro Cigni
- Tommaso Ciuffi
- Dennis Zenz
- Yiping Chen など
彼らは恐らく、
- 車両挙動の監修
- ペースノートや競技ルールのアドバイス
- ロケーションのリアリティ調整
- 広報的な協力
といった形で関わっていると思われます。
ゲーム内のペースノートや競技説明が本格的なのは、このパートナー陣の協力が大きいと感じました。
③ Other Partners(用品ブランド・技術協力企業)
例:
SPEED / FUSINA(ステアリングや装備品メーカー)
- 実車用ステアリング
- 本格的なラリー用装備品
- モータースポーツ文化の支援
こうしたブランドが協力していることで、
ゲーム内のクルマやコクピット描写にリアル感が出ています。
📝 まとめ:Partnersは“ACRを支えるリアル文化の裏側”
日本ユーザーから見ると、Partnersは「おまけの紹介ページ」に見えるかもしれませんが、実はACRが本気で作られている証拠でもあります。
- 実車オーナーの協力
- ラリー関係者の監修
- 機材メーカーの支援
これらによって、車両モデル、ペースノート、レギュレーションの精度が高くなっているため、
ゲーム全体に“リアルラリー文化の空気”が加わっていると感じました。
■ 日本ユーザー目線でいうと…
文章はすべて英語で、UIにも和訳はありません。そのため、多くのプレイヤーはこの百科部分を読まないままプレイに入ると思います。
ただ、こうした資料がゲーム内にあることで、ラリー未経験の人でも「どんな競技なのか」を理解できるようにしている点は好印象でした。

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