※ちょっと真面目な分析系です~♪
GT7以降、日本のシムレーシング市場が変わり始めた
― “限られた市場”から“可能性ある市場”へ ―
最近、日本でもハンコン使ったレースシム、盛り上がってきてる気がします!
先の東京ゲームショーの盛り上がりを見てもそうですし、一般レースゲームでもドリフト文化をモチーフにしたソフトも多数出現。来月出るProject Motor Racingでは日本を意識したローンチ。Fanatecは日本に公式代理店契約を締結。と、ネタは尽きない感じです。
長らく「日本ではシムレーシングは流行らない」と言われてきました。機材は高価で、流通も少なく、サポート体制も不十分。家庭事情で狭小住宅が多い上に密集していて騒音問題にもなりかねない。それに、独特の販売構造もあり、海外と同じように盛り上がるのは難しいと思われてきた分野です。
ところがここ数年、空気が少し変わってきています。その転機となったのが、「Gran Turismo 7(GT7)」と「Fanatec」の提携でした。
🎮 GT7 × Fanatec が作った“認知の壁”の突破口
それまでもPlaystationでハンコンは数々の名機が登場していましたが、ちょっと高価なおもちゃ。程度に見られたり、当時はギア式が多く、家庭で静かに遊ぶのが難しいといった事情もありました。
そこへ、超大々的に発売されたレーシングタイトルであるGT7が、Fanatec製「Gran Turismo DD Pro」を公式推奨モデルとして採用したことで、一般ユーザーの目に“ハンコン=本格的な遊び”というイメージが定着したと思います。
以前は「プロ向けの高級機材」またはおもちゃ。という両極端な印象が強かったハンコンも、量販店展示やSNSでの露出が増え、ロジクールやスラストマスターといった過去の名機も再び脚光を浴び、ライト層にも存在を知られるようになりました。
この静かで力強いダイレクトドライブのハンコンは、日本で初めて“シムレーシング文化がコンシューマー側に浸透”したとも言えます。
参考:Gran Turismo × Fanatec Partnership(GTPlanet)
🏢 国内代理店の台頭と価格の正常化
数年前まで、国内で本格的なハンコンやペダルを入手するには「海外直輸入」が当たり前でした。高額な送料、修理サポートの不安、そして“謎の価格差”。これらが日本市場を長年冷え込ませていた原因です。
しかし今は状況が一変。
・DELEさん
・ZENKAI Racingさん
・VERSUSさん
といった代理店が次々登場し、日本語サポートと保証整備が進行。さらに、海外直販とほぼ同等の価格設定(または安いことも。)も増えてきました。これにより、「手が届く本格機材」という認識が徐々に広がっています。
⚙️ 日本市場特有の“見えない壁”
一方、ソフトウェアの販売については、日本の市場形成には、他国とは異なる課題もありました。ライセンス・権利関係の複雑さ、販売網やサポート体制の制約、そして価格設定の特殊性――。これらは一部では「おま国」と呼ばれるほど、独自の壁を生んできた要因でもあります。
すべてがスムーズに進んできたわけではありませんが、それでもここ数年で代理店体制やサポート環境が整い、確実に「入りやすい市場」へと変化しつつあります。
🕹️ 東京ゲームショーでのシムレーシング存在感の拡大
「ハンコンはゲームではない」という認識を覆したのが、東京ゲームショー(TGS)での出展増加です。TGS2024では出展ブース数3,190/来場者27.4万人とコロナ前を上回る規模に回復。その中で、Fanatec、MOZA、Simagic、Asetek、Logitech G Pro Racingなど、主要ブランドが一堂に試遊ブースを設けました。
特に今年は DELEさんがホール9で大型ブース出展。ハンコンが「ゲーム機器」として確実に浸透しつつあることを象徴しています。
参考:TGS公式リポート/ DELE公式出展情報2025
📊 市場データが示す“拡大の兆し”
ビジネスサイトでも、市場の拡大が予測されています。
※日本市場の数値は2024〜2033年の将来予測、現状の3倍
世界市場の数値は直近1年(2024〜2025)でも堅調な伸び率の見通しを示しています。
地域 | 年 | 市場規模(USD) | 年平均成長率 |
---|---|---|---|
日本(レーシングシミュレータ全体) | 2024 → 2033 | 2,258万 → 7,212万 | 13.8% |
世界(レーシングシミュレータ) | 2024 → 2025 | 8.7億 → 9.3億 | 7.6% |
出典:Cognitive Market Research 2024 / The Business Research Company 2025
つまり、日本市場は規模こそ小さいものの、成長率では世界平均を上回る勢いを見せています。
🌏 「アジア・サブイベント構想」も現実味を帯びる
現時点でSimRacing Expo(SRE)の日本開催予定はありません。しかし、韓国・台湾では既に小規模展示会や体験会が始まり、アジア圏での拠点イベント構想が現実味を帯びつつあります。
TGSのような大型イベント内に「SimRacing Pavilion」ができる日も近いかもしれません。そうなれば、日本はアジアにおける“テストマーケット”として重要な役割を担うことになります。
🏁 まとめ:いま確実に変化が訪れている。
日本は依然として「シムレーシング大国」ではありません。けれども、GT7×Fanatecによる認知拡大、代理店整備による安心感、そして昨今のゲーミングPCブーム。また、TGSを中心とした露出増によって、確実に「見える市場」へと変化しています。
世界の中心にはならないかもしれませんが、世界から注目される市場に成長しつつある。それだけの熱量が、すでにここにある。と、感じます。
色々難しそーに書いちゃいましたが、みんなでこれからも盛り上げていきましょう!ってことです!はい!^^
もしよかったら、意見でもいただけたらうれしいです♪
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