Assetto Corsa EVO 公式レンタルサーバー徹底解説

AssettoCorsaEVO Official Server Project ソフトウェア
ACEvo0.4レンタルサーバーについて
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― Tokyoリージョンの衝撃と、コミュニティ運営が変わる未来 ―

前回のブログで、ACEVO 0.4アップデートの内容を読み進めていく中で、

  • デイリーレース
  • 競技プラットフォーム
  • 公式レンタルサーバー

という大きな要素があったと紹介しました。
 ※0.4アップデート情報記事

その中で、LockeFactoryが、特に注目していきたいと思っているのが、
「ACE公式レンタルサーバー」 の登場です。
しかも、サーバーのリージョン一覧には「 Tokyo 」の文字。

この機能は、
主催者視点で見ると
 「今後のオンラインレースを大きく変える可能性」を秘めていると思います。
この記事では、

  • レンタルサーバーとは何か
  • ACE公式サーバーは何が特別なのか
  • 0.4で何ができるのか
  • 今後どう進化し得るか

を詳しく紹介します。

そもそも、なぜ「サーバー」が必要なのか

レースシムでマルチプレイを行うには、
参加者全員が共通して接続する サーバー が必要です。

サーバーは、各プレイヤーのゲームから送られる車両位置や動きのデータを管理し、
全員へ同期した状態で返しています。

言い換えると、サーバーが安定していないと、レースは成立しません。

では、なぜ「レンタルサーバー」が必要なのか

仲間内でレースを主催したい、自由な練習部屋を作りたい人には、
“自分専用のレース会場”が必要になります。
例えば…

  • 好きな時に、好きなルールでレースをしたい
  • 仲間内だけで草レースを開きたい
  • ドリフト走行会や、のんびり低速走行、逆走イベントなどをしたい
  • 、通常のオンラインでは行えないことをやってみたい

こういった遊び方を実現するには、
ゲーム内に専用の部屋(ルーム)を建てる仕組み が必要です。

しかし、現在のPC向けリアル系レースシムでは、
この「部屋づくり機能まで公式で提供しているソフトはほとんどありません。」

理由は、
公式が無数の部屋を同時運営しなければならず、インフラ負担が非常に大きい からです。

従来、どうやって解決してきたか

長年レースを主催してきた人は、次のような方法でサーバーを自前で用意してきました。

1. 自宅のPCを使う方法

自宅PCにゲームサーバー機能を入れて運営する方法です。
“自宅がレース会場そのもの”になります。

ただしデメリットが多いです。

  • PCを24時間つけっぱなしにできない
  • 一般家庭の回線は太くない
  • 回線の安定性は人によってバラバラ
  • 設定が難しい(初心者にはほぼ無理)
  • ホストPCが落ちたらレースそのものが終了

安全性と安定性の面で限界があります。

2. VPS(仮想サーバー)を借りる方法

VPSレンタル会社が提供する仮想サーバーを借り、自分でゲームサーバーを構築します。

  • 24時間稼働できる
  • 自宅PCを使わなくて良い

という利点はありますが…

  • サーバー構築の専門知識が必要
  • レースゲーム専用ではないので最適化されていない
  • 同時接続人数に制限があったり不安定な場合がある

ハードルは高く、誰でも手軽に使える方法ではありません。
PCレースシムの弱点である
「主催者への負担が大きい」構造 がずっと続いていました。

家庭用ゲーム(GT7など)はゲーム内ルームが存在しますが、
従来のPCのリアル系レースシムでは、
「簡単に部屋を建ててみんなで走る」 という文化はあまりありませんでした。

  • ACC:外部ツール+設定ファイル
  • AC(初代):ACserverがあるが機能は必要最小限
  • AMS2:Peer to Peerで不安定
  • iRacing:公式サーバーだが月額制

“簡単に部屋を建てて気軽に遊ぶ”文化は、
PCレースシムでは成立しにくかったと言えます。

この流れには、家庭用ゲーム(GT7など)で育った大きなプレイヤー層が
PCレースシムに流入してきている背景もあるのではないでしょうか。

レースシムの歴史と流れについてレースシムヒストリーで解説しています。
興味があれば、読んでください。

◆ 3. ACE公式レンタルサーバーが“革命”であると思う理由

ここで登場したのが、Assetto Corsa EVO 公式レンタルサーバー

Kunosが直接運営し、ACEのために最適化されたサーバーを
ユーザーが借りられる仕組み です。
 (実際にはKunosがサーバー会社からインフラをレンタルしている形かもしれませんが)

これはレースシム業界でも極めて珍しい方式で、最近でこそ、外部ツールを利用して
マッチングやレースサービスを行う例が増えてきましたが、
完全に自分のサーバとして稼働でき、常時稼働する練習会や大会を開きたい人にとっては革命的です。

◆ 4. Tokyoリージョンの存在が意味するもの

もっと驚いたのはリージョン一覧に 「Tokyo」 があったことです。
これはつまり、

  • 日本人だけで低Pingで走れる
  • 海外ホストのラグが消える
  • 横跳び・ワープ・同期ズレが激減する
  • “日本専用のオンラインレース環境”が持てる

ということ。
日本語ローカライズすら無いタイトルが増える中で、
サーバーインフラに Tokyo を用意してくれたのは本当に驚き。

日本語ローカライズすら消える作品が増えている中で、
この配慮は本当に大きな意味を持ちます。

◆ 5. ACE 0.4 でできること(UI動画から分かる範囲)

ここからは、
UIの解説動画から推測できる、現段階で可能な機能を紹介します。

🔹 【イベント設定】

  • コース選択
  • レイアウト選択
  • 車種/クラス指定
  • 天候設定
  • 時刻設定
  • グリップレベル設定
  • BOPの有無

🔹 【セッション構成】

  • プラクティス
  • 予選
  • レース
    ※それぞれの時間も細かく設定可能。

🔹 【参加人数・クラス管理】

  • 最大台数
  • クラス混走
  • パスワード設定(身内レースに最適)

🔹 【サーバー運用】

  • Start / Stop ボタン
  • 常時稼働(24時間練習サーバーにできる)
  • Tokyoリージョン選択可能

🔹 【将来性を感じる仕様】

現状UIの解説動画では触られていませんが、
現状の仕組みから見て次のような拡張が期待されます。

  • リザルト自動保存
  • ポイント自動集計
  • API公開
  • SimGrid連携
  • スケジュール自動運用(週次リーグなど)

ACEは最初から “競技システムを拡張しやすい構造” で作られています。


◆ 6. 主催者視点で何が変わる?

このレンタルサーバーによって、主催者は:

  • PCを24h起動しなくてよくなる
  • 低Pingで安定したレースを提供できる
  • 初心者でも簡単にサーバーを運用できる
  • 毎週リーグ戦が作りやすくなる
  • 練習サーバーも自動で運営できる
  • コミュニティ運営の継続率が上がる

これらが実現します。
特に「安定した身内の練習場を持てる」のは強烈なメリットです。


◆ 7. コミュニティリーグが組める未来

この仕組みが整うと、
いよいよ本格的な 草の根リーグ戦 が成立します。
(例)

  • 月間シリーズ(昇格・降格制)
  • 毎週同じ時間の草の根公式レース
  • 朝活・夜活サーバーの自動運用
  • 車種別ランキング
  • イベント制のワンメイクカップ

ACEは 公式 + コミュニティ の二本柱を整えつつあります。

◆ 8. まとめ:0.4は“未来への最初の一歩”

今回のレンタルサーバー実装は、単なる機能追加ではありません。

  • マルチ人口の拡張
  • コミュニティ文化の再構築
  • 主催者の負担軽減
  • 草レースの復活
  • 大会文化のベース作り

これらすべてにつながる、
ACEの長期計画の始まり だと感じています。

今後のアップデート、特に

  • リザルト処理
  • 自動スケジューリング
  • SimGridとの連携
    が実装されれば、
    オンラインレース文化は大きく変わるはずです。

まだアーリーアクセス段階ですが、今回の0.4は「単なるアップデート」ではなく、
ACEが長期的にコミュニティと歩んでいくための基盤作りの始まり に感じています。

◆9. 価格設定(※2025年12月時点 / 1ユーロ=190円換算)

期間価格(ユーロ)円換算備考
1日5 EUR約950円単発イベント向け
30日15 EUR約2,850円月額相当
90日33.75 EUR約6,412円25% OFF
180日58.5 EUR約11,115円35% OFF
365日91.25 EUR約17,337円50% OFF(年契約)

正直、円安で割高には感じます。
ただし、専用最適化サーバー・無制限スロット・安定稼働を考えると、
「しょぼいVPS(月1000円台)では到底できない性能」。
用途次第では十分“アリ”な価格だと思います。

◆ 10. 注意点(FAQから重要な部分を抜粋)

以下は、公式FAQから特に重要なポイントです。

● 1) 自宅PCでホストできますか?

できません。
現時点では、AC EVOのゲームサーバーは
このレンタルサーバーサイトのみ で提供されています。

● 2) なぜセルフホスティング方式ではなくなったのか?

KUNOSは 集中型サーバー(Centralized Server System) を望んでいるため。
統一されたインフラで安定したマルチ体験を提供する、というビジョンに基づいています。

● 3) 家族や少人数でのプライベート走行も有料?

はい。少人数でもサーバーレンタルが必要です。
ただし、“安定性”と“手軽さ”を考えると利点も多いです。

◆ 11. LockeFactoryは踏み出します

まだ、詳細情報がわからないのですが、現在公式サポートにメール確認中。

この発表を見た瞬間、LockeFactoryでは、サーバーレンタルを検討中です。
当面はメンバーもいないので、希望があれば、希望の設定を用意したりもできるかな。

私は多ジャンル系が好きです。
将来的に、毎週コースと車種を変え、平日24h練習可。週末に草レース本番。
シリーズ戦や、クラス分け。
草レースをしていた時のクラス分け「下剋上」ルール。とかもやってみたいな~とか考えています。


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